質問と禁煙の助言
4.1 はじめに
プライマリケア向けの標準的な簡易タバコ介入プログラムでは、来院する度に喫煙について尋ねます。質問は単純にします。保健医療機関では「バイタルサイン」に喫煙を含めています。
歯科では関連づけの機会が豊富なので、ほとんどすべての患者に、その日の治療内容や、主訴に関連して喫煙状況を質問することができます。
4.2 タバコ使用についての質問
単純に「喫煙していますか?」「あなたの周囲で誰か喫煙していますか?」と尋ねます。バイタルサインでは、「現在喫煙・元喫煙・非喫煙のいずれかを〇で囲んでください」という質問項目を設けます。
歯科では口腔清掃に尋ねることが多いことから、ブラッシング指導に一歩踏み込んで、悪性細菌叢(ディスバイオシス)を予防するためのバイオフィルムコントロールの一環として、タバコ使用について単純に尋ねることもできます。
4.3 禁煙の助言
①明確に、②強く、③個人に固有の禁煙の助言を行ってください。
会話例は、
①「○○さんに今、禁煙は重要です、禁煙をお手伝できます」
②「○○さんの主治医として、これから先の健康に、禁煙の優先順位は最も高いと思っていただきたいです。スタッフも私もお手伝いします。」
③個人に固有の内容として、喫煙と個人の情報、健康への関心、社会要因があります。これらの内容を、喫煙・禁煙を結びつけてください。
4.4 助言のヒント
- 喫煙の健康影響は多様なので網羅して説明するのは不可能です。
- 患者への固有の助言方法が明確でない場合の良い方法は患者に尋ねることです。
「○○さんの場合、どのような場合に喫煙をいやだと思いますか?」という質問への回答から関連づけを展開してください。